さらに、中学生になり、母娘ゲンカの後、E子さんが家出をしたときがあったが家族の誰も探しに来ることはなかった。

「引っ越ししたばかりで、まだ家具なども残していた元自宅アパートに3日ぐらい一人で泊まり、引き出しにあったそうめんを食べて電車で学校に通いました。近所の人が心配して私の様子を見に来ましたが、母が近所の人にも家族にも『あの子は勉強が嫌で家を出ていったのよ』と言っているのを聞き『この人たちの前で自殺したところで、“あの子が勝手に死を選んだ”と責任を転嫁するに違いない』と思ってしまった。

 母は自分のしていることは悪くないと思っているので、どんなに正論を語ったところでもう自分のことを心底心配してくれる人たちではないと思ってしまい、コミュニケーションを取ろうとするのをあきらめてしまいました。そして、たまたま学校から三者面談の通知が来て、担任に事情を話すと、とにかく家に帰れと言われて家には帰りました」

 後編では、結婚後に母との付き合い方がどう変化したかについて聞いた。