嫌われる特徴③自分のキャラを確立したい人

――そもそも、どうして人はマウントを取りたくなってしまうのでしょう?

勝木 マウントを取ることで自分のキャラクターを確立させたいのかもしれませんね。例えば、ゴルフが上手い人だったら、「ゴルフができる○○さん」というキャラで人間関係を円滑にするためにゴルフマウントを取ることが多いように感じます。ゴルフは男性の競技人口が多いスポーツなのですが、男性は本質的に数字を追い求める傾向がありますね。他にも、ベンチプレスで170kg上がったという筋肉マウントも、まさに数字を追い求めています。

「自慢したい」が「嫌われたくない」人間心理

――「自慢したい」けど「嫌われたくない」って、何だか人間の深層心理を突いていますね。

勝木 原始時代の頃と違って、文明が発達するにつれて、嫌われるとコミュニティからはぶられてしまうのでね。嫌われないように注意しつつ、自分を誇示するためにマウンティングも巧妙化しています。

――逆に、今増えているマウンティングはありますか?

勝木 ステルスマウンティングですかね。聞いた瞬間に分かるストレートなマウントがしたいという欲求は減っていて、今はマウントだと思えないマウントをすることが多くなっています。へりくだってネガティブに伝えることで自分のすごさを小出しにしていくのが今の流行りのようですね。従来のマウンティングとは異なり、聞いた瞬間にはマウントだとは気づきません(笑)。

yuuu そういえば僕もこの間、「10年ぶりに友人に会ったら日銀の審議委員になっててびっくりした」という話をされました。友人に打ちのめされた感を醸し出して、実は「こんな友人がいる自分ってすごいでしょう」という高度なマウンティングでしたね。

 詳しくは『ビジネス会食完全攻略マニュアル』にも書いているのですが、人間は古くから食事を共にすることで共同体の帰属意識を高め、心理的距離を近づけてきたんです。「同じ釜の飯を食う」という言葉もありますよね。文明の発達につれてコミュニティからはぶられてしまったときの代償は大きくなります

勝木 ステルスマウンティングは、「自慢はしたいが、マウンティングをすると嫌われる」という現代社会特有の”罠”を上手くすり抜けたようですね。

(本稿は、『ビジネス会食完全攻略マニュアル』の著者・yuuu氏と『人生が整うマウンティング大全』の企画・プロデューサー・勝木健太氏への対談インタビューをもとに構成したものです)