その記事にはグラフがつけられ、1976年から2016年の若者の行動についての経年変化が示されている。たとえば、友人と過ごす時間、運転免許の取得状況、デートやセックスの経験、睡眠時間、そして(特に印象的だったのが)孤独感などだ。いずれのグラフでも共通点がひとつある。折れ線の傾きが2007年を境に急激になるのだ――iPhoneが登場した年だ。

 そのグラフを見ていると、トゥエンギと同じ結論に至らざるをえない。「はっきりとした証拠で示されているのは、若者が手にしているこのデバイスが、若者の人生に深刻な影響をもたらし――そのうえ、非常に不幸にしている点だ」トゥエンギはこう断言するが、現代の若者は以前の世代よりも(酔っ払い運転をする可能性が低いなど)身体的にはより安全だと言えるかもしれない。けれど、それは若者が「スマートフォンを見つめ、室内にひとりぼっちで、ことあるごとに思い悩んでいるから」なのだ。10代の若者のあいだではうつ病が増加している。自殺率も同様だ。