「仕事が遅い部下がいてイライラする」「不本意な異動を命じられた」「かつての部下が上司になってしまった」――経営者、管理職、チームリーダー、アルバイトのバイトリーダーまで、組織を動かす立場の人間は、悩みが尽きない……。そんなときこそ頭がいい人は、「歴史」に解決策を求める。【人】【モノ】【お金】【情報】【目標】【健康】とテーマ別で、歴史上の人物の言葉をベースに、わかりやすく現代ビジネスの諸問題を解決する話題の書『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)は、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、伊達政宗、島津斉彬など、歴史上の人物26人の「成功と失敗の本質」を説く。「基本ストイックだが、酒だけはやめられなかった……」(上杉謙信)といったリアルな人間性にも迫りつつ、マネジメントに絶対活きる「歴史の教訓」を学ぶ。
※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
利益はなんのために
生み出さないといけないのか
このような見えや体裁を乗り越えてコストを抑えていくためには、どうすればよいでしょうか。
まず大事なのは、リーダーとして支出を抑えて利益を生まなければならない理由をメンバーに示すことです。
そもそも「利益はなんのために生み出さないといけないのか」に明確に答えられないリーダーが意外と多いように感じます。
利コストを抑えて
利益を生み出す3つの目的
利益を生まなければならない理由とは、「利益を何に使うのか」に直結します。家康も戦費を蓄えて、天下とりに役立てるために倹約をしたわけです。
会社であれば、利益を生み出す大きな目的として、3つのことがあげられます。
①不測の事態に陥っても存続するため
②将来の成長に向けて投資するため
③社員の待遇向上のため
欲深い人は利益を得られない
これらの目的のため、どのくらいの利益が必要なのかをイメージすることも大事です。
そのように利益目標が明確になれば、その実現に向けてコストを抑える意識も高まり、見えや体裁にとらわれにくくもなります。
「大欲は無欲に似たり」ということわざがあります。大きな望みをもつ人は、小さな利益には目もくれないので、欲がないように見えるという意味ですが、欲深い人は利益を得られないともたとえられます。
笑う人には笑わせておく
家康が便所紙を追いかけて庭に飛び降りた姿を見て、まわりの人が笑ったように、欲深く見える姿を人は笑うかもしれません。
しかし、笑う人には笑わせておいて、一流のリーダーはしっかりと組織を導いていく。大きな目標に向かってとり組めばよいことを家康の姿は教えてくれます。
①なんのために利益を生み出さないといけないのかを掲げ、部下に伝える
②目的の前では、リーダーは体裁や見えにとらわれない
※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。