「でも」や「しかし」は使わずに「そのうえで」話法を使う
社内で部署間の主張が異なり激論が交わされる中で、コミュニケーション力に長けた営業の先輩が使っていたのは、「そのうえで」や「さらに」という接続詞でした。
話の流れからすると、「そのうえで」や「さらに」といういわゆる“順接の接続詞”は日本語の文法として誤りですが、相手にむやみに反論してしまうことを避けるために、あえて「そのうえで」や「さらに」といった接続詞を使っていたのです。
例えば、あるお得意先から急な追加注文の依頼が来たとします。営業部としてはなんとか要望に応えたいと思っても、製造部門のトップは「追加生産は無理」の一点張りです。
そんなとき、「(無理なのはわかった)でも、お得意先は強く要望している。じゃあ、どうするんだ? 今後の受注に影響が出てもいいのか?」と言い返すとカドが立ちます。
そこで「(無理なのはわかった)そのうえで、お得意先は強く要望をしているわけですし、どのような対応案があるでしょうか?」と語りかけると、相手の受け取り方も違ってくるのです。
理屈で動かない人は「○○」で動かす
「職場で新たに定めた業務ルールを徹底したいのに、どうしても守ってくれない同僚がいる」。こうした悩みを耳にすることはよくあります。
「みんなで決めたルールなのだから守って当然だ」と正論をかざしても、「強引な説得」になり逆効果になってしまうこともあります。
こうしたケースでは、ルールを守らない人にもその人なりの理由や思いがあるものです。
「論理だけで人は動かない」と考えて感情面に目を向け、「感情を揺り動かす」ことで人を納得させて行動を改めてもらえないかを考えましょう。