2022年2月から、気象庁が発表する緊急地震速報に長周期地震動の階級が加わることになった。なお緊急地震速報とは、震源に近い観測点で地震の初動をキャッチし、遠く離れた場所にできるだけ早く地震の揺れを伝えるシステムである。
長周期地震動階級は被害の程度に応じて作られたもので、地震の揺れは同じでも、建物が持つ揺れに対する性質によって揺れが増幅されることなどを定量的に評価した。地震が起きた際の行動の困難さや、家具の移動や転倒などの被害の程度から4段階に区分している。
具体的には、固有周期が1~2秒から7~8秒の揺れが生じる高層ビル内の揺れの大きさを指標としている。そして気象庁により地震計で得られる「絶対速度応答スペクトル」の周期1.6秒から周期7.88秒までの最大値から、長周期地震動階級の1から4が決められている(下図)。
具体的には、「階級3」は人が立っていることが困難で、室内の不安定な家具が倒れる状況となり、「階級4」では人は全く立つことができずに揺れに翻弄される。また室内では家具の大半が激しく移動し、倒れるものが続出する。