第2は、東北大卒でも努力次第では東大卒を凌駕できると自分にいい聞かせ、東北大出身の成功者を思い浮かべることである。たとえば東北大出身で東大教授やがて総長となる茅誠司(編集部注/物理学者、第17代東京大学総長)など。このやり方だと、やはり東北大は東大に比べて人材が少ないという結論に終わる。
第3は、京大以下の地方帝大、一橋、早慶など比較対象になりうる大学の欠点をあげつらい、優位を誇ることである。だが、この種の大学に見出される欠点は東北大にも共通することが多く、結果としてヤブヘビになる、という。
第4が、東北大よりはっきり「劣っている」と思われる大学を相手に優越感を振り回すことである。その対象に選ばれがちなのがいわゆる「駅弁大学」であった。「東大その他のまえに、はっきりカブトをぬぎ、それによっておこる劣等感を、田舎の新制大学その他にたいする優越感でおぎなって、感情のバランスをとる」(筑波前掲書)。