当初は女性保護を目的としていましたが、現在では女性から男性・同性同士でもセクハラになるとされています

 マタハラ・パタハラ・ケアハラの定義は、男女雇用機会均等法と育児・介護休業法で規定されています。マタハラ・パタハラ、ケアハラには「制度等の利用への嫌がらせ型」と「状態への嫌がらせ型」があります。

「制度等の利用への嫌がらせ型」の
マタハラ・パタハラ、ケアハラ

 産前休業、妊婦健診(※)や産後の健康管理に関する措置、軽易な業務への転換、時間外・休日・深夜業の制限、育児時間の確保、危険有害業務の就業制限、育児休業、介護休業、育児または介護のための時短労働、始業時間変更などの制度を利用する権利は法律で保障されています。

【用語解説】(※)妊婦健診:母体の健康状態や胎児の成長・発達を確認するため、妊娠中は定期的な医療機関の受診が推奨されている。妊娠初期は4週間に1回、中期は2週間に1回、後期から出産までは週1回受診(初回が妊娠8週頃とすると出産までに14回程度行う)。

 これらの制度を利用または利用しようとしたことに対して、不利益な扱いを示唆したり、制度の請求や利用を阻害したりすることを指します。

 この場合、行為者となりうるのは上司または事業者(会社)です。部下からこれらの休業の申請があったときに、当該従業員の体調や状況(家庭環境など)がよくないのに、休業を妨げたり制度の利用を取り下げるよう迫る行為は、上司から部下に対するハラスメントになります(同時に事業者は、安全配慮義務違反も問われる可能性があります)。