(1)「解雇や不利益な取り扱いを示唆」することの行為者となり得るのは上司で、その発言がたとえ1回であってもハラスメントになります。たとえば、妊娠を報告された上司が、「ほかの人を雇うので、早めに辞めてもらうしかないね」「こんなに長く休んだら、復帰したときに席がなくなっているかもしれないよ」などということです。
(2)「制度の請求や利用の阻害、その他の嫌がらせ」の行為者となり得るのは上司と同僚で、1回だけではハラスメントとはならないことが多いと思います。
労働基準法における
使用者の災害補償責任とは
労働基準法は、労働者の権利を守るための法律であり、労働条件や雇用者の義務、違反した場合の罰則などについて規定されています。
使用者の災害補償責任が労働基準法では定められており、就業中にハラスメントにより従業員が精神疾患を患い労働災害(労災)と認定されたときには、会社は労働者に療養給付、休業給付、障害給付などを補償しなければならないという、取り決めがあります。
ただし、労災保険の給付が行われる場合には、使用者の災害補償責任が免除されることになっています。