出世する人が「せっかち」な理由

役員クラスに出世する人たちは、大抵は同期の中でもずば抜けて優秀であることが多いです。そのため、その人にとっては当たり前のパフォーマンスであっても、他の凡人からすると異次元のパフォーマンスを発揮しているようなケースがあります。

このような人は、当たり前の水準を同期との比較ではなく、「5歳や10歳年上の先輩のパフォーマンスと比較した時に自分がどのレベルなのか」という水準で常に考えています。例えば、成果物の提出を締切前倒しで提出することは当たり前ですし、そもそも、上司から言われる前にその作業に取り掛かっていたりします。

その結果として、このような人が偉くなると周りからは「せっかちな人」という印象を持たれます。その人からすると周りが遅すぎるだけなのですけどね。

当人は「せっかち」を自覚していない

出世する人は当然ですが、能力が非常に高いです。つまり、「当たり前の水準が高い」ため、せっかちに見えるのです。

しかし当人からすると別に速く仕事をしている意識はないというのがポイントです。つまり、このような考え方でずっと仕事に取り組んでいると、自分が役員になった理由を聞かれた時に「たまたま、運が良かっただけ」という回答になってしまうことがあるのです。

あなたも自分の周りに「せっかちな人」がいるかどうか確かめてみてください。また役員以上を目指すのであれば、「当たり前の水準を高める」ことの2点を意識して仕事に取り組んでみましょう。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の著者に取材した特別な書き下ろし原稿です)