放火をする犯人の心理状態
放火犯の動機とタイプ

 放火は都市部で発生することが多く、その対象は半分弱が建物で、残りが車両や空き地、公園、ゴミ置き場などです。通常の火災が日中に起きるのが多いのに対して、放火は夜間に発生することが多く、とくに真夜中に発生する火災では、放火の割合が高くなります。また、単一の放火は住宅に対して行われることが多いのに対し、連続放火の場合はゴミ置き場や車両といった建物以外が狙われることが多くなります。

 こうした放火犯は、さまざまな動機や行動のものが存在しており、大きく8つのタイプに分類することができます。このうちもっとも多いのは「うっぷん晴らしのための放火」で、とくに連続放火犯によく見られるタイプです。たとえば、神奈川県警科学捜査研究所の上野厚の調査では、連続放火犯の64.9%が動機として「不満の発散」を挙げており、放火をするとスカっとした」といった報告をするものが多いのが特徴です。

 なお、子どもによる放火はこれとは別のタイプ分けがあり、火遊びなどの好奇心によるもの、家庭の問題や生活上のストレスが原因となるもの、非行行為のひとつとして火を放つもの、「学校に行きたくない」などの理由により火を放つもの、繰り返し放火を行う病理的なものの5つに分類されています。