仕事よりビジネス会食を優先すべき本当の理由

――部下に「まだ仕事終わってなくて、終わり次第ビジネス会食に向かいます」と言われたら、今井さん、yuuuさんはどう対応しますか?

今井 「いや、遅れない遅れない!行くよ!」って伝えます。もし「明日のプレゼン資料はどうしたらいいですか」って言われたら、「最悪プレゼン資料は僕がサポートするから」って言いますね。今なら、「これは君にとってチャンスだから絶対行った方がいいよ」って付け加えます。あとは、「その仕事明日に回せる?」とかも聞きますね。でも、それでその後、「なんで明日の資料作成を前の日の夜にやってるんだよ」って言うかも……(笑)。

yuuu 業務の目的に立ち返ることですよね。僕なら、「全体としていま直近の目的は案件をとることだよね?」「案件を取ることにおいて、今ここで会食をすることが一番優先度の高い戦略じゃないかな?」と伝えます。あくまで会食は目的達成のための手段だという前提を改めて伝えて、会食の優先度について納得してもらえるコミュニケーションができたらパーフェクトかなと思います。

「社内イベント」と「お客さん」、どちらを優先すべき?

――では「“社内”の懇親会」と「“お客さん”の営業資料」の2つだと、どちらを優先すべきですか?

yuuu 「社内の会食がお客様より優先されるのか」は少し複雑ですね。僕はそこまで行くと個人の選択を尊重するようにします。「私はクライアントが全てなので社長なんかどうでもいいです」みたいな感じだったら、それはそれでスタンスとして尊重します。ただ、結局そこで優先度を変に見誤って損している人は結構多い印象です。だからこそ上司としては、会食を意味づけしてあげるのが重要だと思います。

今井 僕は、長いキャリアで見た時の話を伝えます。「短期的には今日明日がすごく忙しくなっちゃうけど、長い目でみたら今日会食に行っておくって大事じゃない?」みたいにです。理由として付け加えるとしたら、「君ってうちの会社で営業として自分にしかできない仕事を色々やっていきたいって言ってたじゃん。大事な仕事を任される人間になるってことはすごくいいことだよね。お客様のことを見ることも大事だけど、社長や上司に『こいつなら大丈夫』って思ってもらえることも重要じゃないかな?」とか……「後で頑張るより今会食に行ったほうが、いい仕事が任されやすくなるよ」って伝えます。若手にとってビジネス会食は決して雑務ではありません。実は大きなチャンスが潜んでいるからこそ、下準備は入念にしておいてほしいなと思います。

(本稿は、『ビジネス会食完全攻略マニュアル』の著者・yuuu氏と『Sales is』の著者今井晶也氏への対談インタビューをもとに構成したものです)