「仕事が手一杯なのに、頼まれるとつい引き受けてしまう」「数字がものを言う職場なのに、競争が苦手」「話し下手の自分には営業職が向いていないのでは」…。そんな人でも、発想の転換を変えるだけで心が軽くなり、きちんと問題に向き合うことができる。仕事上のさまざまな悩みに、X(旧ツイッター)で39万フォロワー突破の精神科医Tomyが、しなやかな思考で答えていく。※本稿は、精神科医Tomy『「内向的な人」の幸福戦略』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。
仕事を断らないことが
迷惑をかける可能性も
仕事を振られると、キャパオーバーな状況でも、引き受けてしまう。チームに貢献できていないので、頼みを断りづらい。
冷静に考えてみましょう。キャパオーバーなのに仕事を引き受けてしまうから、成果を出せない。成果を出せないから、貢献できないと思うのではないでしょうか?
つまりアナタが仕事を断らないことによって、さらに迷惑をかけている可能性があります。自分の行動がかえって状況を悪化させているかもしれないのです。「はい、できます」と答えたのなら、その言葉には責任があります。相手は仕事の出来に期待します。それでできなかったとしたら、逆に迷惑です。もし貢献ができていないと思うのなら、むしろちゃんと断らなければならないのです。
ただ、「仕事ができていないのに、断るなんて申し訳ない」という気持ちもわかります。そこで大切なことは、やはり「報・連・相」です。仕事をため込んでしまうのに、断れない人はたいていこれができていません。
仕事を任せたほうは、何も連絡がないので「上手く行っているのだろう」と解釈しています。でも実際は上手く行っていない。それを伝えると、自分の評価が下がるかもしれない。呆れられるかもしれない。嫌われるかもしれない。そう思って何も言えないのです。そして、結局大事になってしまう。