ドーナツ店だけどドーナツ店じゃない
ミスドの特殊な立ち位置

 スパロコが行った「利用実態調査 ミスド編」(2021年)によれば、「どんなときにミスドを利用したいと思うか」について回答の割合は「小腹がすいたとき」(40.7%)が最も多かったが、これに次ぐ20〜30%近い割合の回答が5項目あり、それぞれ以下となっている。

「おみやげが必要なとき」(29.2%)

「そこにしかないメニューを食べたくなったとき」(28.8%)

「おいしいものを食べたいとき」(24.0%)

「コーヒーを飲みたいとき」(23.4%)

「暇で時間をつぶしたいとき」(20.0%)

 ここからわかるのは、ミスドが「食事」「スイーツ(手土産)」「カフェ」のいずれの需要にも応えている点である。

 これは、同じ調査の「飲食店を選ぶ際にミスドに代わって選んだり、ミスドとどちらを利用するか迷うお店はありますか?」という質問に「ある」と回答した人が「具体的に想起するお店・ブランド」として挙げている店舗からも読み取れる。

1位 マクドナルド 10.3%
2位 クリスピークリームドーナツ 7.4%
3位 スターバックス 6.7%

 それぞれ、食事(ファーストフード)、スイーツ、カフェである。

 ここで挙がっている店を「競合」とすると、例えばマクドナルドが「手土産」の需要を満たすかといえばそうでもないし、「クリスピークリームドーナツ」に「食事」の印象を持つ人は少ないだろう。

 こう考えると、ミスドがいかに特殊なブランディングを築いているのかがわかる。