男性客は1人客も稀に見かけるが、カップルの場合が多い。中高年夫婦が食事で飲茶メニューを頼んでいるのを何度か見かけたが、男性がパートナーに付き合う際に選ぶ食事としての需要もあるのかもしれない。
「台湾ゴハン祭り」の「台湾風豆乳野菜麺」を実食した感想としては、「ちょうど良いボリューム感」が目指されているとおり、食べ盛りの男性だとやや物足りなく感じられる量かもしれない。ただ、ドーナツを1~2個一緒に食べると考えれば充分だし、中高年が選ぶ食事としてはこのぐらいがベストだろう。
個人の感想となるが、えびのプリプリ感がおいしかったし、ザーサイが入っているのも気が利いていると感じた。正直に書くと「台湾胡椒餅風パイ」は、あんの量が少なく感じられたが、これは好みの問題だろう。
「台湾風鶏サンラータン麺」は、辛さを示す唐辛子マークが2つついているが、それほど辛くはない。これは子どもにも安心という理由、もしくはドーナツと食べた際の対比としてかもしれない。「ピザッタ 台湾風ルーロー」は触れ込みのとおり、もちもちした食感で五香粉(ウーシャンフェン)の香りに台湾を感じた。
市場環境に左右されにくい
ビジネスモデルを構築した強み
思えば2010年代中盤、セブン-イレブンをはじめコンビニ各社が次々とドーナツに参入し、外食・小売業界で「ドーナツ戦争」なるムーブメントが起きたことがある。それまでドーナツ市場で9割方のシェアを誇っていたミスドの売上は、過当競争により低下。客単価を引き上げるため、食事メニューを増やしてきた経緯がある。
当時のドーナツ戦争はプレーヤーの疲弊により数年で収束したが、ミスド以外のドーナツチェーンおよび個人店の台頭や、ドーナツブームは定期的に訪れる。また、物価高騰も影響して価格改定もたびたび余儀なくされている。
しかし、ミスドがこういった状況に左右されづらいのは、ドーナツショップとして国内最大の認知度をキープしながら、カフェや食事需要にも強みがあるからだろう。
ドーナツも飲茶も好きな筆者としては、今後もおいしくミスドの各種メニューを楽しみたいところである。