あなたは「友人の相談」に乗りますか?

そもそも、お願い営業とは何かというと、「商品やサービスの購入・利用を本来需要がないお客さんにお願いする行為」です。これだけ聞くと最低の行為に聞こえますよね。

ではここでいったん話を変えましょう。

あなたは、友人に「相談に乗ってほしい」と言われたことはありますか? よく考えてみてほしいのですが、実は「相談に乗る」という行為は、あなたの大切な時間を友人に使っているにもかかわらず、あなた自身には金銭的なメリットなどがないのです。つまりその友人はあなたに歴とした「お願い営業」をしていて、あなたはそれに「OK」しているとも言えるのです。

ではなぜ、あなたは友人の相談に乗ることを承諾したのでしょうか。ここに、お願い営業の本質があります。

お願い営業は「信頼関係」の証

あなたが友人の相談に乗ったのは、金銭的なメリットではないはずです。

きっとあなたは、これまでの「信頼関係」に基づいて、相談に乗ることを承諾したのではないでしょうか。

あなたは友人関係を通じて、たくさんの借りをつくり、同時に貸しを作って来たと思います。だからこそ、「何かを返したい」と深層心理では感じているわけです。

要は、お願い営業とは、こういった今までの貸し借りから得られた信用の蓄積によって成り立つものなのです。

「お願い営業」ができない人は出世しない。その本当の理由

僕はこういったお願い営業ができる関係を作ることは一種の才能だと思っています。友人ではないビジネス上の関係者と、友人に近い関係性を築けるほど、相手に信頼されているということだからです。

やるかどうかはともかく、お願い営業ができる人は優秀ですし、できない人はその関係値が作れない人ということになるのです。

このように、お願い営業はそれだけ聞くととてもしょうもない行為に聞こえますが、それができること自体は相当なスキルが必要であることも覚えておいたほうがいいです。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の一部を抜粋し、調整・加筆した原稿です)