緑色の部分は、そもそも予備日をつくってあるのだから、計画どおりできて当然である。

 むしろ、途中までしかできなかった黄色の部分が重要なのだ。どうしてできなかったのか。実際にはどこまでできたのか。

 課題をはっきりさせることが勉強なのである。問題はあくまで結果。ということは、最終的にすべてを完了する計画を立てるべきなのだ。

 泰蔵は、兄の言葉にうなずいた。

 計画をコントロールできるようになった泰蔵の成績は、みるみる上がっていった。

 超難関の東京大学経済学部に入学できた。

スーパーマリオからも
経営哲学をくみ取った

 これが孫正義のすごさである。今日も孫は1日を5分単位のスケジュールで動いている。

 商才にすぐれた父と、情に厚い母に育てられてきた泰蔵は、兄をまた深く尊敬している。

 何億円もの単位のビジネスをする兄を見ていて、「すげえなあ」と思う。

 スケールが違う。

 とうてい兄には勝てないだろう。