未婚の子と暮らしていれば
子の収入もアテにできる?

 核家族世帯における高齢者世帯の貯蓄額は、多少、独居高齢者とは異なる。この調査における核家族世帯とは、「夫婦のみの世帯」「夫婦と未婚の子のみの世帯」「ひとり親と未婚の子のみの世帯」を意味する。つまり、老夫婦世帯や結婚しない娘や息子と同居している高齢者が該当する。

 かつて「パラサイト・シングル」という言葉が流行った。しかし、パラサイト・シングルとして年齢を重ねて娘や息子が50代となると親の介護を考えなくてはならない。20代、30代は親と同居することで生活水準を高めていくことができた。そして、このような若者の一部が、結婚せずに気がついたら親の介護に直面するといったことになる。

 ただし、当然、世帯員が2人もしくは3人となるから貯蓄額も独居の場合より多くなる。核家族世帯となると「貯蓄がない」は約9%となっているが、3000万円以上の貯蓄が約16%、2000万円以上では約26%となる。特に、未婚の子と暮らしていれば娘や息子の収入も想定できることも大きい。

 孫と同居する3世代世帯は、核家族世帯の実態とさほど変わりはない。未成年と同居している高齢者も一定数いるが、娘や息子が現役世代であればそれなりの収入が見込める。

 貯金額3000万円層の3世代のほうがやや少ないぐらいだ。孫が高校生、大学生といった3世代家族も少なくないと考えられるため、高額貯金額層が若干少なくなるのであろう。