最初にお断りしておきたいのが、ここで集計されているのは筆者が独自に調査したものである。
名門・古豪といわれる歴史の古い学校には、途中で分離や合併などさまざまな変遷のある学校も多く、どの学校をもってどの学校の前身とするかの意見が分かれることもある。そのため、見解によって多少の誤差が生じることをご了解いただきたい。なお、学校名・人名の表記は新字体に統一している。

 それではまず、今年の注目校から確認していこう。

今夏・甲子園で初優勝した京都国際は
かなりのペースでプロ選手を輩出

 今夏の甲子園で初優勝した京都国際高。99年の京都韓国学園時代に創部し、04年に認可を受けて京都国際高校となった新しい学校だ。

 そして、08年に韓国からの留学生申成鉉が広島から4巡目で指名されたのを皮切りに、現在までにすでに11人がプロ入り。今年も沢田遥斗(西武育成5巡目)が指名されており、かなりのペースでプロ入り選手を出している。

 選抜で初優勝した高崎健大高崎高も01年創部という新しい学校。こちらもすでに9人がプロ入り。今年は4番の箱山遥人がまさかの指名漏れとなったが、田中陽翔がヤクルトから4巡目で指名された。

 両校に共通しているのは育成指名でのプロ入りが多い(京都国際高は7人+今年1人指名、高崎健大高崎高は4人)ことで、とにかくプロ入りしたいという意志の強さを感じる。

 一方、昨年夏の甲子園で優勝した慶応高は明治初期から活動していたという全国屈指の名門校で、昨年の優勝は107年ぶりだった。

 プロ入りは戦前の旧慶応普通部を含めて13人。これとは別に旧慶応商工(後に慶応二高、現在は廃校)から3人プロ入りしている。慶応高は近年までスポーツ推薦がなく、実力で入学するしかなかったため、プロ入りするような選手はあまり出なかった。従って、13人のうち9人は推薦制度が導入されて以降だ。

 しかも、慶応高からは全員慶応大に進学できるため、高校からプロ入りする選手はいない。近年プロ入りした選手も全て慶応大経由だったが、今年は慶応高から米国の大学に進学した根岸辰昇が指名されている(ヤクルト育成1巡目)。