このように不登校から成人後のひきこもりへの移行が懸念されるため、安易に、学校に行かなくていいとも言い難い状況になってきている。

 小・中学校時代に不登校を経験した子どもたちの多くが高校に進学しており、学校にもっと行っていればよかったと思っていることを考えると、不登校になった時点で早々に学校復帰を諦めずに、まずは学校への復帰を全力で支援することが重要なのではないだろうか。

 たとえば、文部科学省が2021年に実施した、前年度に不登校であった小学6年生と中学2年生を対象とした「令和2年度不登校児童生徒の実態調査」によれば、学校を多く休んだことに対して、小学6年生では、「もっと登校すればよかったと思っている」という者が25.2%であるのに対して、「登校しなかったことは、自分にとってよかったと思う」という者が12.8%というように、不登校を後悔している者の比率が不登校を肯定している者の比率の2倍となっている。