「試験当日、会場に複数の受験生が持ち込んでいた」「直前対策の即効性が高い」「親戚の受験生にプレゼントして合格した」
そんな感想が多数集まっているのが、あらゆる小論文試験を対象にした参考書『落とされない小論文』だ。本記事では、著者の今道琢也氏が、「ちょっとした工夫」で文の印象がガラッと変わる書き方をお伝えする。(構成・写真/ダイヤモンド社 今野良介)
わずかな違いで大きな差がつく文章表現
小論文試験においては、仕事や学業への「意欲」を問う問題が多くあります。
例えば次のような出題です。
あなたが学生生活において挑戦してみたいことについて述べてください。
就職試験のエントリーシート、面接カード、志望理由書などでも、同じような質問があります。
これらはすべて自分の「意欲」や「熱意」を売り込むための文章です。それにもかかわらず、遠慮がちな言葉で書く人が少なくありません。
意欲が求められる場面で謙遜しても、何もプラスになりません。
次の文例を見てください。転職試験のエントリーシートの記述です。
私は前職で、商品の配送コストを削減するプロジェクトを担当しました。プロジェクトを進めるに当たっては、運送会社との価格交渉や配送ルートの見直し、小口の荷物を一括してまとめるなどの改善にとりくみました。メンバー全体をとりまとめながらプロジェクトを進めていきました。その結果、前年に比べてコスト削減をすることができました。
私は前職で、商品の配送コストを削減するプロジェクトをリーダーとして主導しました。運送会社との価格交渉や配送ルートの見直し、小口の荷物を一括してまとめるといった改善活動で、中心的な役割を果たしました。私はリーダーとして、プロジェクト全体の進捗状況を管理し、作業が遅れているメンバーには助言をするなど、常にチームが効率よく動けることを意識して行動しました。その結果、前年に比べて30%以上の大幅なコスト削減に成功しました。
この2つは、同じことを書いているのですが、読んだ印象は全く違います。
単に「プロジェクトを担当しました」より、「プロジェクトをリーダーとして主導しました」のほうが、強いリーダーシップを発揮した印象になりますし、「コスト削減をすることができました」と書くよりも、「30%以上の大幅なコスト削減に成功しました」と書いたほうが、印象は良くなります。
「言いまわしを変えただけではないか」と言われれば、その通りです。
しかし、言い回しを変えただけで印象が良くなるのならば、そうするべきです。
このようなちょっとした工夫の仕方を知っているかいないかで、答案の評価が変わってくるのです。
『落とされない小論文 増補改訂版』では、このような書き方のルールや「小論文を書くときの材料」 に加え、受験者がやりがちなミスとその改善策を「before→after形式」で解説し、最短で合格ラインに到達するためのスキルと知識を網羅的に解説しています。