★子育てとは、子どもに同じことを何百万回も言う生活! 誰がやってもそうなるので、どうせ言うなら楽しく言おう★
【総フォロワー数31万人】長年の教師生活で多くの親と接したなかから生まれた、熱い思いの詰まった言葉を365個掲載した書籍『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』が、あらゆる年代の親に刺さると話題。親力アドバイザーとして名高い教育評論家の親野智可等氏がいま子育て中の人に伝えたいことがあります。
言いたいことはひとまず受け止めてから言う
これは以前私が新幹線に乗っていたときのことです。
私の隣に座っていた男性が、車内販売員さんに「コーヒーください」と言いました。
すると、その販売員さんが即座に「お待ちください」と答えました。
私はその男性が少しムッとしたのがわかりました。
販売員さんがそう答えたのは、彼女は別の客におつりを渡すために小銭を数えていたからで、対応として間違いではないです。でも、言われた男性は自分の気持ちをまったく受け止めてもらえず、跳ね返されたように感じたのでしょう。
このとき、販売員さんはどうすればよかったか考えてみました。
ひとまず「ありがとうございます」と受け止めてから「少々お待ちください」と言えば、言われた方は安心して待つことができたと思います。そうすれば販売員さんがお客さんをムッとさせなくてすんだでしょう。
子どもは大人の都合など考えずに話しかけてくる
じつは、これと同じことが親と子どもの間でもよく起こります。
子どもは大人の都合など考えずに話しかけてきますので、親が夕飯のしたくをしているときや、在宅ワークでパソコンに向かって集中しているときに、「できた、見て見て」などと話しかけてくることがよくあります。
こういうとき、少しでも時間が取れるならその場ですぐ聞いてあげるのがベストです。
子どもはちょっと聞いてもらえれば満足することも多いからです。
ただ、どうしても手が離せなくて、その少しの時間が取れないときもあります。
そういうときどう答えるが大事です。
多くの場合、「ちょっと待って。今は無理」とか「今、手が離せないでしょ」などとなりますよね。でもこれだと、子どもの側からは、「自分の気持ちが跳ね返された」と感じてしまいます。
「あ、すご~い」の威力
ですから、ひとまず受け止めてあげましょう。
例えば、まず「あ、すご~い」と言ってから「キャベツ切っちゃうまで待っててね」とか「3分待って」と言うようにするのです。
「あ、すご~い」のひと言があるかないかで、子どもの気持ちはまったく違ってきます。
場合によってはこれだけで満足することもあります。
そこまでいかなくても、このひと言で安心して待つことができるようになるのです。
そして、このひと言を言うのにかかる時間はわずか1~3秒です。
この数秒を惜しまずに、子どもの気持ちを大切にしてあげてほしいと思います。
そういう積み重ねが、親に対する子どもの信頼を育てていくことにつながるからです。
◆本原稿は、『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』の著者・親野智可等が子どもに関わるすべての人に伝えたい書きおろしメッセージです。