夫婦で協力する重要性

 次の面談は、夫婦で来ていただきました。投資について概要や始め方を説明したところ、夫は興味を示しました。順調に進められるよう、Uさんに協力してあげてほしいと伝えました。しかしUさんが「不安」と言うと、すぐに「様子見でいこう」と後退。時間をかけた積立投資で成果が期待できることもお伝えしていたのに、簡単に見送られてしまいました。

 このように、家計を妻任せにしてしまうケースをときどき見かけます。なぜ夫がこうした姿勢になるのか、こちらには正直分かりません。妻を恐れているのか、負い目があるのか、故意にそうしているのか無意識なのか……。いずれにせよ、その結果として妻は一人で決められずキャパオーバー。どこから手をつけていいか分からなくなり、家計改善が進まなくなります。

「一人で頑張らなくていい」「できないなら仕方がない」という夫の言葉が、結果的に妻の行動を制限し、家計改善の大きな障壁となっているのです。妻が困っているなら自分が代わりにやる、そこまでいかないまでも、一緒にやる。それだけで状況は変わるのに、我々が「協力してあげてください、一緒にやってください」と何度も伝えても、どうすることが協力になるのか、わからないようなのです。

 夫婦で協力して取り組むべきことはたくさんあります。家計も資産形成もその一つです。どちらか一方だけが頑張ればいいというものではありません。思いやり、協力、共有、分担など、夫婦関係の基本を見直すことで、家計の改善も進むはずです。

 皆さんの夫婦関係はどうですか?一度、振り返ってみてはいかがでしょうか。