北海道に到着後は、基本的にすべての部材が「NX-TECT Hokkaido」および苫小牧の危険物倉庫を経由して、ラピダスが新千歳空港近隣に建設中の半導体製造工場「IIM-1」に納入されることとなる。本稼働時には、両拠点からIIM-1向けに1日数便のシャトル便が設定される。

 半導体製造部材のサプライチェーンにおける中核拠点として門前倉庫の役割を担うNX-TECT Hokkaidoは、IIM-1から約20㎞、JR貨物の札幌貨物ターミナル駅から約22㎞、苫小牧港から40㎞に位置しており、北海道の大動脈のひとつである国道36号に隣接。建物は3階建てで、延床面積5万1096平米(うち倉庫面積は約4万4000平米)。大林組が建設したマルチテナント型物流施設を日通が全棟借りした。

 全区画で空調機能を完備しており、区画ごとに独自に設定した定温でのオペレーションが可能。また、施設を突き抜ける形で「中央車路」を設けており、雨天や降雪など天候の影響を受けずにトラックバースでの作業を行うことができる。セキュリティや災害時におけるBCPなどにも万全を期しているほか、施設内に「雪室」を備えており、冬季に貯蔵した雪を、夏季に冷房として活用することができる。