苫小牧危険物倉庫
今後も拡張余地
他方、苫小牧港の港頭地区に整備される危険物倉庫も建設が本格的に始まった。苫小牧埠頭(本社・北海道苫小牧市、海津尚夫社長)が西港区に建設する危険物倉庫(定温倉庫、多温度帯倉庫各1棟、計1908平米)を日通が借り受けるもので、定温倉庫は来年6月、多温度帯倉庫は同年8月の竣工を予定する。当初は2棟の建設にとどまるが、敷地自体はまだ余裕があるため、量産化後の需要動向に合わせた増築も可能だ。
同じ西港区の勇払ふ頭には、NXグループの内航船社であるNX海運が運航する内航RORO船「ひまわり」シリーズが就航している。現在、東京~北海道航路に3隻が投入されており、このうち「ひまわり8」「同9」の2隻は暴露甲板に危険物を積載することができる。
青函トンネルでの危険物の通行が禁止されているため、北海道向けの危険物輸送は事実上、海上輸送に限定されている。内田氏は「危険物の輸送が可能な自社船を運航していることが、ラピダスから輸送業務を受託する最初の接点になった」と打ち明ける。今後、九州など遠方のサプライヤーの輸送では、Truck&Rail&Seaなど複数の輸送モードを組み合わせながら、NXグループの強みを訴求していく。