オーナー企業ランキング2024年版 上場1580社の全序列#19Photo:JIJI

「オーナー企業大国」の日本において、最強のオーナー企業は――。『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化してランキングを作成した。特集『オーナー企業ランキング2024年版 上場1580社の全序列』の#19は、不動産43社の業種別ランキングをお届けする。10位に飯田グループホールディングス、2位にプレサンスコーポレーションが名を連ねた。果たして1位は?(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

パワービルダー王者の
飯田グループもオーナー企業

 パワービルダーの王者は、年間約4万戸の分譲住宅を販売する飯田グループホールディングス(HD)だ。2013年に一建設、飯田産業、東栄住宅、タクトホーム、アーネストワン、アイディホームのパワービルダー6社が経営統合して誕生した。

 もともとのルーツは、1967年に飯田一男氏が総合建築請負業として創業した飯田建設工業(現・一建設)だ。飯田建設工業がその後、不動産分譲事業に進出し、東栄住宅やタクトホームなどを買収して事業を拡大させていった。

 飯田グループHDの現在の社長は、非創業家の兼井雅史氏が務める一方で、大株主には創業一族が名を連ねている。つまり、飯田グループHDもオーナー企業なのである。

 では、不動産業界における最強の「オーナー企業」は――。

 ダイヤモンド編集部は『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「全1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化し、ランキングにした。

 ランキングには「同族支配度」についても記載している。同族支配度について、本特集#2『「非上場化しやすい」オーナー企業ランキング【キャッシュリッチな全90社】15位乾汽船、2位北野建設、1位は?』で紹介したように、改めて説明しておく。

 下表の通り、『ファミリービジネス白書』(白桃書房)を刊行している日本経済大学大学院の後藤俊夫特任教授らは、オーナー企業つまり同族企業の条件について「経営面」と「所有面」で分析。創業家による関与度によって、6段階に区分した。例えば、創業家から役員を送り出し、さらに筆頭株主であった場合は、同族支配度が最も強い「A」となる。

 次ページでは、上場オーナー企業のうち不動産43社の業種別ランキングを一挙に公開する。飯田グループHDは10位に食い込んでいる。