戸建てバブルの裏側#2Photo:PIXTA

念願の大阪進出を果たした首都圏の覇者、オープンハウス。だが大阪は、よそ者にとって「難攻不落の地」。どんな勝算があるのか。傍らで、全国の“地場王者”が首都圏侵攻を虎視眈々と狙う。特集『戸建てバブルの裏側』(全6回)の#2では、住宅会社の勢力図を基に、領土拡張戦争の模様とその裏側にある思惑を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

大阪は土地の仕入れが独特
「難攻不落の地」の戸建て事情とは?

「ようやく大阪で戦える。この日のために力を蓄えてきた」――戸建て業界で覇権を狙うオープンハウスの担当者は、そう言って自信をのぞかせる。

 オープンハウスは2021年10月、大阪・梅田にショールームを開いて関西初進出を果たした。ただ、全国主要都市の中でも大阪は、よそ者にとって“難攻不落の地”。果たしてどんな勝算があるのか。

 まずは、猛者がひしめく大阪の戸建て事情を見ていこう。

 注文住宅では、積水ハウス、大和ハウス工業の2強に加え、全国展開しているアイ工務店など地元工務店も強い。

 建売住宅では、トップシェアの飯田グループホールディングス(HD)でも苦戦するほどだ。同社は全国で30%以上のシェアを誇る一方、京阪神エリア(京都、大阪、兵庫)だけは15%弱にとどまっている。

 飯田グループHDの担当者は、「フジ住宅、ファースト住建といった先発の同業他社が強い。後発のわれわれが入ろうとしても、東京で培ってきたスタイルそのままでは通用しない」と話す。

 オープンハウス同様に急成長し全国展開を狙うケイアイスター不動産でさえ、今のところ大阪は避けている。「土地の仕入れで独特の地域事情がある。古くから付き合いがあるところにしか土地情報を出さない」(同社担当者)からだ。

 次ページでは、全国で激化する住宅メーカーによる「領土拡大戦争」のマップを大公開し、激戦地大阪に参戦するオープンハウスの勝算と、“地方王者”が首都圏侵攻する背景を明らかにしていく。