オーナー企業ランキング2024年版 上場1580社の全序列#18Photo:JIJI

「オーナー企業大国」の日本において、最強のオーナー企業は――。『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化してランキングを作成した。特集『オーナー企業ランキング2024年版 上場1580社の全序列』の#18は、金属製品54社の業種別ランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希)

リンナイの売上高は過去最高見込み
金属製品の「最強」オーナー企業は?

 過去最高の売上高――。ガス給湯器のリンナイの2024年3月期の売上高は前期比1.2%増の4301億円だった。4年連続の増収で売上高は過去最高となった。25年3月期の売上高は4500億円を計画し、過去最高を更新する見込みだ。

 リンナイは内藤秀次郎氏と林兼吉氏によって1920年に創設された石油コンロの製造会社、林内商会が前身。社名は創業者の姓を1字ずつ取ったものだ。71年に社名をリンナイに変更、79年に名古屋証券取引所第2部に上場を果たした。60年代にガステーブルコンロなどを発売し、その後ファンヒーターやガス給湯器なども投入した。

 海外に初進出した60年代以降、グローバル展開を強化し、韓国やインドネシアではシェアトップを誇る。現在の全体の売上高に占める海外売上高の比率は5割を超える。現在、内藤氏の孫娘の夫である内藤弘康氏が05年から5代目の社長を務めている。

 では、リンナイを含む金属製品で最強の「オーナー企業」は、果たしてどこか。ダイヤモンド編集部は『ファミリービジネス白書2022年版』のデータを基に、上場オーナー企業「全1580社」の直近本決算の「売上高」「営業利益率」「総資産事業利益率(ROA)」「自己資本比率」「流動比率」を偏差値化し、ランキングにした。

 ランキングには「同族支配度」についても記載している。同族支配度について、本特集#2『「非上場化しやすい」オーナー企業ランキング【キャッシュリッチな全90社】15位乾汽船、2位北野建設、1位は?』で紹介したように、改めて説明しておく。

 下表の通り、『ファミリービジネス白書』(白桃書房)を刊行している日本経済大学大学院の後藤俊夫教授らは、オーナー企業つまり同族企業の条件について「経営面」と「所有面」で分析。創業家による関与度によって、6段階に区分した。例えば、創業家から役員を送り出し、さらに筆頭株主であった場合は、同族支配度が最も強い「A」となる。

 次ページでは、オーナー企業ランキングの金属製品54社の業種別ランキングを一挙に公開する。リンナイは5位だった。同社を上回るトップ3は。