離婚前、当然のことながら妻は「定期的に子供と会わせてほしい」と言った。うちの場合、娘が小学2年生、息子が幼稚園年長の時に離婚したから、お母さんの顔をしっかり覚えている。特に娘のほうは「次はいつ会えるの?」としょっちゅう聞いてくる。
私も、妻とそして何より子供の心情を考えると、「お母さんと子供が会う時間は定期的にあったほうがいい」と思った。ネット上で調べてみても、「離婚しても子供の心を守るために、定期的に会う機会を持ちましょう」と書かれている。それを鵜呑みにして、月に1回ぐらいの頻度で会わせるのがいいかと信じ込み、離婚して1年ぐらいは無理してそれぐらいのペースを保っていた。
会える日が近づいてくると、「今度の週末、お母さんに会えるよ」と伝える。子供たちはその瞬間からウキウキが止まらないのだろうが、正直に言うと、私はその分だけ心がザワザワしてしまう。
「君たちのご飯はお父さんが作ってるんだぞ」「お父さんが居なかったら生きていけないんだぞ」と大声のひとつもあげたくなるが、気持ちよく会わせてあげたいから、大人らしくグッと我慢する。しかし、私のそんな気などまるで知らないで、待ちに待ったその日が来たら、もうお祭り騒ぎである。