「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では著者の萩原礼紀によるオリジナル記事をお届けします。
老いた親がなにも相談してくれなくてトラブルに
【×】老いた親へのNG声かけ「なんで大ごとになるまで黙ってるの? 早めに相談してって言ったじゃん!」
【〇】老いた親に想いが伝わる声かけ「つらい思いをさせてごめんね。全力で助けるから、これまでのいきさつを教えてくれる?」
NG声かけは次のような状況で言ってしまいがちな言葉です。
・本当は再検査が必要だったのに黙って放置し病期が進行してしまった
・病院や行政など、対応が必要な外部から伝えられていた結果や通達を自己判断で黙殺し対応が取れなくなった
・不要不急な大きな買い物をしたがクーリングオフの期間を過ぎてしまった
・家族以外の人と、できもしない約束をして損害賠償を請求された
これまでこういった相談をたくさん受けてきました。家族からすれば「ちょっと相談してくれればいいのに!」と、困ってしまいますよね。
上に挙げた例などは、親が元気で現役であった以前ならば自己責任でよかったわけです。自分の責任において解決できますし、すべきことです。
ですが親が老いた今は、子どもが助けなければいけません。なぜなら親は年齢的に自分一人では解決が困難になってしまったからです。
言いかえれば、親は「かつての親」ではなく、皆さんの保護や支援が必要な状態に移行したのです。
では、こういった困ったケースに直面したときどうするのがいいのでしょうか。