CL事業強化へ
ナカノ商会を469億円で買収

 ヤマトHDは2Q決算の発表に合わせて、3PL中堅のナカノ商会を(本社・東京都江戸川区、沼澤宏社長)M&Aにより連結子会社化することを発表した。同社の発行済株式の87.7%を469億4300万円で取得するもので、株式取得日は12月1日を予定する。

 ナカノ商会は倉庫保管・庫内作業、輸送サービスを包括的に提供する3PL中堅で、物流施設のサブリースなども幅広く展開。23年9月期の業績は、売上高867億7000万円、営業利益46億5200万円、経常利益46億7100万円、当期純利益32億500万円。小売や食品メーカーなどを顧客に持つほか、特に大手外資系通販と業務受託を通じて関係が深く、この部分でヤマトHDとのシナジーが期待できる。

 ヤマトHDは現在、CL事業を宅配便事業に次ぐ新たな事業の柱に成長させるべく、事業ポートフォリオの変革に注力している。ナカノ商会をグループ化することで、CL事業の拡大に加え、両社リソースの共同利用などでコスト抑制も見込む。

 同日行われたオンライン説明会で栗栖利蔵副社長は、「当社のCL事業は、まだまだ外部に学ぶべき点が多い。現在、自社で体制面の強化をすすめているが、さらにM&Aを実行することで強固な体制をつくりあげたい。ナカノ商会が得意とするサプライチェーン上流のビジネスをラストマイルまでつないでいくことで、法人ビジネス領域の拡大が可能になる」と強調した。

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