板橋区の2校「帝京」と「淑徳」
東京23区の東部エリアでは、足立区・江戸川区・荒川区には私立の共学校がない。台東区には唯一、上野学園がある。中学には音楽コース、高校には音楽科があり、募集停止となった上野学園大学へとつながっていた。五つの入試回を11に区分している。
最も多くの受験生が集まるのは、[1日適性検査型]で、2024年には98人が受験して実倍率1.02倍という、都立両国と白鴎受検生の直前模試のような位置づけとなっている。[1日2科]は音楽コースも含むが、22人が受験して実倍率1.57倍だった。[1日4科]は理社得意型と合わせても受験者数が8人にとどまっている。
2科の[1日午後]には37人の受験生が集まり、実倍率1.85倍と人気である。[3日]は国算英から2科選択の得意科目型、[4日]には1科選択や国数2科、4科と特待チャレンジ4科という区分が設けられているが、合わせても受験者数は26人と多くはなく、受けやすいのだが、「特待チャレンジ4科」は実倍率6倍と狭き門だった。[6日]は2科で21人が受験して実倍率1.62倍とまずまずだった。25年も、全体的に大きくは変わらないだろう。
板橋区には帝京大学板橋キャンパスと医学部の附属病院がある。付近の飲食店で「帝京」という言葉を聞かなかったことはない。帝京大学系属帝京(板橋区)の募集は、一貫特進コース、一貫進学コース、インターナショナルクラスの三つに分けられているものの、以下は入試回ごとの合計で24年の様子を見ておきたい。
第一回は[2月1日午前]と[2月1日午後]に分かれるが、午前は88人受験で実倍率は1.13倍、午後は同じく94人で1.18倍と大変受かりやすい。第二回は[2月2日午前]と[2月2日午後]に分かれるが、こちらは午前1.37倍と午後1.2倍と少々ハードルが上がる。第三回[2月4日午前]と第四回[2月7日午前]も設けられている。志望者数から見る限り、1日午後と2日午後がいささか増加気味な程度で、25年も大きくは変わらないだろう。
もう1校、板橋区の西側には淑徳がある。ほぼ上位校という点では“湾岸系”の芝浦工業大学附属と双璧をなす。五つの入試回を24年は合わせて835人が受験しており、北部エリアでは順天と並ぶ人気校と言える。初回を除けばいずれも午後入試で、「選抜」にはセレクトとルビが振ってある。志望者数は増加傾向にあり、25年は全体的に上向いている。24年の状況を見ておこう。
[1日スーパー特進1回]は162人が受けて実倍率2.35倍となかなか手強い。志望者数は2割弱増えている。[1日午後スーパー特待東大選抜1回]の受験者数は248人と最多で、1.58倍と1日の午後入試にしては穏当な競争状況にある。[2日午後スーパー特待東大選抜2回]は205人が受験して1.59倍、[3日午後スーパー特進2回]は158人が受験して2.32倍だった。志望者数はいずれも増加傾向だ。[2日午後スーパー特待東大選抜3回]は受験者数こそ62人と減るものの、3.88倍(23年は7.58倍)と厳しい競争で、志望者数は1割強増えている。
練馬区には私立の共学校はないが、東京女子学院が25年度から「英明フロンティア」に校名を変更、高校が共学化する。中学での男子生徒募集は26年度からの予定となっている。