北里大付属校化で人気沸騰の「順天」
中学受験熱の高まりは、“湾岸系”に続いて“北区系”の登場を促した。かつては都立高校の併願先の趣だったが、中高一貫校として、年々中学の受験生が増えているからだ。その筆頭は、法人合併により北里大学の付属校化が決まった順天(北区王子本町)である。五つの入試回で110人を募集しているが、志望者数は“全面高”の状況で、いずれも2025年の倍率が大きく上がりそうだ。
午前のA入試は4科、午後のB入試は2科となる。志望者数が8割弱も伸びている[1日1回A]は、24年実倍率3.54倍(23年2.8倍、22年2.26倍)から、25年は4倍を超える公算が大きい。[1日午後1回B]は最多の279人が24年に受けた人気入試回だが、実倍率は4.43倍(23年2.74倍)にも急騰していた。志望者数は5割増であり、5倍乗せは確実、その倍率はどこまで高まるのだろうか。
[2日2回A]も24年実倍率3.95倍(23年2.71倍)と高いものの、志望者数は6割弱も伸びており、25年は5倍前後にはなりそうだ。[2日午後2回B]は220人が受験して4.49倍だったが、やはり6割伸びており、25年は6倍乗せもありうる。
[4日3回]の多面的入試は国算2科に加えて、リスニングを含む英語と10分間のマイ・プレゼンテーションも課す。合格者9人で実倍率は5.22倍だが、志望者数は1割強増えている。結局、どの入試回も25年には4倍以上となりそうで、どれを受けても受かりやすいという実感を得ることは困難だろう。
星美学園から共学化してサレジアン国際学園(北区赤羽)となったのは22年のこと。人気の小学校を擁する北区の名門校では、本科・SG(インターナショナルStandard)・AG(インターナショナルAdvanced)による12もの入試区分で150人を募集している。英語筆記と英語エッセイ、英語・日本語面接が課されるMGとAGは、併せて「インター」として実績データを示す。
各区分の志望者数がそれほど多くないので、全体的な傾向を見ておくと、[2日3回本科]が3割弱、[1日午後2回本科]が1割強減らしている以外は、軒並み2倍以上、中には6倍という区分まで出ている。総じて、25年は倍率が上がりそうなのだが、多くは1~2倍程度なので、受けやすくて受かりやすい。受験者数が多いものを順に見ておこう。
24年に49人が受験して実倍率1.36倍だった[1日午後2回本科]は、25年にいささか緩和しそうである。次いで、38人が受験して2.71倍(23年は1.29倍)だった[1日午後2回インター]は、25年に3倍を軽く超えそうな勢いにある。32人が受験して1.14倍だった[3日午後5回(スカラシップ)インター]は、志望者数が2倍半も増えていることもあり、23年2.25倍に25年は戻りそうな状況だ。他の入試区分は受験者数が30人に満たないので詳細は記さないが、24年に1倍台前半の入試も、25年は1倍台後半から2倍を目指しそうな勢いとなっている。