鈴木:『進撃の巨人』、『僕のヒーローアカデミア』などがよく見られている中、日本語で歌われる主題歌がそのまま広がっていたわけです。そこに(2020年からの)コロナ禍とそれに伴う巣ごもり需要が発生し、アニメ、アニソンとの接触時間が爆発的に増えたことが背景にあります。

 そしてもう一つ、忘れてはならないのがゲームです。ゲームにおける日本の存在感は20年~30年という長いスパンであり、最近アニメで日本文化に触れるようになった若い層だけでなく、30代~40代までも影響を与えてきました。その素地があったところに、配信・巣ごもり需要によるアニメとの接触拡大が決定打となったということでしょう。

鈴木貴歩氏鈴木貴歩氏。ParadeAll株式会社 代表取締役、エンターテック・コンサルタント。ゲーム会社、放送局でコンテンツ企画、事業開発を担当した後に、2009年にユニバーサルミュージック合同会社に入社。デジタル本部本部長他を歴任し、音楽配信売上の拡大、全社のデジタル戦略の推進、国内外のプラットフォーム企業との事業開発をリードした後独立。2016年にエンターテック(エンタテインメントx テクノロジー)に特化したコンサルティング会社、ParadeAllを起業。日米欧の企業へのNFT他Web3.0活用、事業戦略、事業開発、海外展開のコンサルティング、日欧中のスタートアップのアドバイザーに加え、2022年よりJASRAC理事も務める Photo by Atsushi Matsumoto

――ゲームというと、必ずしもJRPG(ジャパニーズロールプレイングゲーム)などの日本のゲームが、海外で人気が維持されてきたというわけではない、という理解ですが、海外のゲームが日本のアニメ的な表現を取り入れてきた経緯は確かにありますね。