年末の「幸せホルモン」不足を予防!管理栄養士が薦める「4つの食べ物」とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

年末に向けて仕事やプライベートで忙しくなるこの時期は、体調管理が欠かせません。特にストレスの影響を受けやすい臓器の一つが腸です。そこで今回は、この時期から取り組みたい「腸内環境を整えるコツ」をお伝えしていきます。(管理栄養士 岡田明子)

“幸せホルモン”の異名を持つセロトニン
不足するとどうなる?

 秋から冬にかけての時期は、日照時間が短くなることにより、脳内の神経伝達物質の一つであるセロトニンの分泌が減少します。セロトニンは、気分や感情の調節に関与しています。“幸せホルモン”とも呼ばれていて、不足すると、不眠、過食、慢性的なストレスや疲労感、めまい、頭痛、便秘などの症状があらわれることがあります。

 感情面が不安定になりやすいこの時期を元気に過ごすには、セロトニンの分泌量を増やすことが重要です。

 セロトニンには、自律神経のバランスを調整する働きを高める作用があり、自律神経が整うとセロトニンの分泌量が増えます。この相互作用により、徐々に不調を感じにくくなります。

 セロトニンの生成に必要な必須アミノ酸に、トリプトファンがあります。トリプトファンは腸から脳へ送られるため、腸内環境を良くすることは、自律神経を整えるのに役立ちます。

 私たちの腸には100兆から1000兆個にものぼる腸内細菌が住みついています。腸の中にびっしりと、まるで草原に多数の花が咲くように存在していることから「腸内フローラ」と呼ばれ、健康に影響を与えています。

 ストレスを感じると下痢気味になったり、緊張するとトイレに行きたくなることがあるのは、脳と腸は迷走神経を介してつながっているからです。ストレスを感じると、交感神経が優位になって消化機能が低下し、腸内フローラのバランスが崩れ、便秘や下痢を引き起こしやすくなります。

 反対に、リラックスを感じているときは、腸内フローラのバランスが整えられている状態で、腸の働きもよくなります。