さらに、妻はリウマチの家系です。家事をする手がリウマチを患い、包丁を握るのがつらくなることをイメージして、定年後はすぐに夫も夜ごはんの料理を分担することをルール化しました。夫が週に3日、月、火、水曜日の料理担当になることを決めたのです。
そして、足腰が悪くなるからスーパーでの買い物も辛くなります。週に2回、月、火曜日は夫が買い物に行くことにしました。スーパーでの買い物も1回に使うのは5000円まで、週に2人で4回までと決めました。お洒落な折りたたみショッピングカートを探したり、スーパーの近所に引っ越したりすことも考えているそうです。
日中、家にずっといると光熱費もかかります。日中はなるべく図書館に行くなど、出かける曜日や時間も決めました。これがかえって、2人のほどよい距離感を維持できるきっかけになり、よかったといいます。
そして、それぞれが私用で使うお金をお小遣い制にして、自分や友達との外食のために使える金額を月2万円までとしました。使わない場合は、繰り越しができるようにルール化しました。
給与がないので、収入は激減しましたが、生活費をルール化し、見える化することで、これまでお互い気を遣ってハッキリ言いづらかった無駄遣いについても、確認し合えるようになりました。
103万円の壁、106万円の壁のように
年金にも「330万円の壁」がある
おしどり夫婦がした2つ目のことは、所得を減らす工夫でした。一般的に、定年後は収入を増やすことを考える人が多いかと思いますが、これは、どういうことなのでしょう。
現在、パート主婦の所得税や社会保険料に関する「103万円の壁」「106万円の壁」が議論されていますが、公的年金も同じです。本格的に定年を迎えると、給与はなくなります。そして年金が収入になるわけですが、この年金にも一定額以上は所得税がかかります。このとき、うまく調整しないと損することもあるのです。