谷垣 きつかった。私は比較的、他の選挙では楽に通ったんですけど、このときばかりは非常にきつかったですよね。こういうときは、もう一回、国民の信頼を取り戻すにはどうしたらいいかという原点に返らなければならない。

 今も自民党内ではいろいろな議論がされている。過去もそういう議論はしてきたし、そこで分析したことが全部、適切だったかどうかはわかりません。ただ、だんだん時がたってくると、その反省を忘れるところが若干ありゃしないか。今度も議論されたようですが、しっかりその精神を守っていくことが、基本としては必要なんじゃないかなと思うんですね。

 そのときには、自分のやってきたことの繰り返しを言ってもいけませんが、「国民の声を聞く」ってことが大事じゃないかと思うんです。

右もあれば左もある
自民党の「派閥」の多様性

谷垣 一方で、現在、世間で議論されてることに多少不安感を覚えることもあるのです。例えば「派閥」。悪いところもたくさんあるかもしれないけど、いいところも私はあると思うのです。

大島さんは三木・松村派、その後を継いだ河本敏夫先生の下で大成されたでしょ。こう言うと失礼ですが、(番町政策研究所は)決して大きな派閥ではなかった。

 だけど、存在意義がなかったかといえば、決してそうではない。やはり、それぞれの派閥にそれぞれの原点みたいなものがある。