――派閥をなくせば、全体主義的な独裁になるとの指摘もあります(編集部注/人間が独裁権力から離れて自由であるためには、権力者と各個人の間に立つ「中間組織」が必要という考え方による)。
谷垣 そういう点もあるでしょう。他方、派閥が弊害を残してきたということは、派閥が大きくなり過ぎたことも一因となったのではないか。適正規模っていうものがあるかもしれない。
それぞれの派閥は主流派になったり非主流派になったりします。しかし、たとえ非主流派でも、自分たちを作り上げてきた原点を失ってはならないという「反骨精神」みたいなものが、政党にはないといけないんじゃないかと思うんですよね。表現が適切ではないかもしれないけど、そこは難しい。
民主主義に「党派」は不可欠
多様な政党と派閥が議論を生む
大島 谷垣総裁のときに、派閥解消論とか、党名まで変えろって言う若い連中がいましたね。それを言った先生方の名前を言うと、「えっ?その人はそんなことも言ったんですか」って言われるから言いません。
民主主義論から言えば、民主主義ではどうしても「党派」は必要なんですよ。その党派の範囲で、まず政党があるだろうし、党の中でまた志が合う人たちもいろいろあって、それぞれが議論する。