岸田文雄首相が率いた宏池会と、安倍晋三さんが会長を務められた清和政策研究会では、原点からしてかなり違ったのは事実です。要するに(政治には)そういう原点みたいなものが、時々必要になる。俺たちの初心は何だったのかと。そういうものが。
たくさんの党がまとまってできた自民党だから、ある意味、それが多様性の良さにつながることもあるし、逆にバラバラの原因にもなる。しなくてもいい対立をする原点にもなる。派閥論というのは、なかなか難しいところがあります。
大小さまざまな派閥がありますが、それぞれの原点は変わったとは思いません。そういうところの良さが、時々「キラッ」と出ることもあると、私は思うんですね。
たとえ主流を外れたとしても
自分の派閥の原点は譲れない
――派閥同士で競い合い、自民内で疑似政権交代を果たしていくという効果もあるでしょう。各派が切磋琢磨する、その総体が自民党であるともいえるでしょう。各議員の教育を担う面もあるのではないですか。
谷垣 そこはあると思います。弊害はなくしていかなければなりませんが、いい面は残してほしい。相当、矛盾したことを言っているとは思います。
こう言うと共産党の人は怒るかもしれません。「派閥対立をなくせ」などと言い、共産党的な政党になればうまくできるかもしれませんが、そうなっちゃ自民党はつまらん。こう思うんですね。