このような人物の特徴は、ミスをしたり、ノルマを達成できなかったりしたとき、その原因を自分以外の要因のせいにするところにある。そこで問題になるのが、専門的な言い方をすれば、原因帰属のスタイルである。

「失敗は自分のせい」と考える内的統制型と
「他人が悪い」と考える外的統制型

 仕事でも勉強でもスポーツでも、成功や失敗の原因を何に求めるか、つまり原因帰属の仕方には、人によってクセがある。

 心理学者ロッターは、ローカス・オブ・コントロール(統制の位置)という概念を提起している。自分の行動の結果(たとえば、成績の良し悪し、成功・失敗など)をコントロールしている要因が、自分の内側にあるか外側にあるかということである。そう言われてもピンと来ないという人が多いかもしれないので、簡単にいうと「成功や失敗の原因を自分のせいにするか、自分以外の要因のせいにするか」ということである。

 原因帰属のスタイルには、自分の能力ややり方のせいにする「内的統制型」と、他人や状況や運といった自分以外の要因のせいにする「外的統制型」がある。このような原因帰属のスタイルは、個人の中でかなりの一貫性がある。

 何かにつけて自分の能力や取り組む姿勢、あるいは努力のせいにしがちな人は、言ってみれば自分自身のせいにするので、内的統制型ということになる。

 一方、たとえば顧客とトラブルになっても、自分の落ち度を認めずに相手のせいにしたり、成果を出せなかったときに状況や運のせいにしがちな人は、外的統制型ということになる。

 そして、外的統制型の人よりも内的統制型の人の方がモチベーションが高く、勉強でもスポーツでも仕事でも成績が良いことが、多くの心理学の研究によって証明されている。