僕もビジネスマンのときは、年収5000万円ぐらいあったからね。それが3分の1ぐらいになりました。知事と市長の給料も、知事が3割、市長は4割カットです。僕らが在任中の年収は額面で1500万円ですよ。

――なぜそんな高収入を捨ててまで政治家になられたんですか。

 腹が立ったの一言に尽きます。税金で好き放題やってる知事や市長を見ながらね。僕は5000万の年収だから、相当な納税をしていました。会社も法人税をだいぶ取られていました。

 それで大阪府と大阪市が赤字で、カネがないと言うだけで何もしてくれない。そりゃ腹立つでしょ。原動力は怒りでした。橋下さんもそう、怒りを原動力にして知事や市長になったわけですよ。

 結局、政治家になると身分がよくなりすぎるのが問題なんです。

 逆のことを言う人がいます。政治家の収入を上げてあげないと、いい人が政治家にならないと。

 しかし、国会議員は年間約2500万の歳費を受け取っていて、さらに年間1200万円の調査研究広報滞在費という使途非公開で非課税の経費が保障されている。秘書3人は公費で雇えて、それから国内移動は新幹線だろうが飛行機だろうが、グリーン車やファーストクラスのチケットがタダでもらえる。これらはすべて税金でまかなわれるわけです。

 すでに、これだけいい身分なのが、今の政治家の状況です。

“報酬カット”で優秀な人材が
集まったカラクリ

 私が大阪で試験的取り組みとしてやったのは、大阪の場合は知事や市長も含めて、府議会議員と市議会議員の報酬を3割カットです。財政再建を実現するには、やはり政治家が身を切る改革が必要です。

 選挙で言うと2011年、15年、19年、23年と4度、統一地方選挙を経験する中で、報酬をそれだけカットしました。それでいい人が集まらなかったのかと言えば、集まったからこそ、維新の会の府議会議員、市議会議員が過半数を取ったわけです。