緩和傾向の“八王子系”4校

 穎明館はJR中央線・京王高尾線「高尾」駅からバスに乗るか、JR横浜線・相模線・京王相模原線「橋本」駅からスクールバスで通う。一般入試は4科で、[1日1回一般]は119人が受験して実倍率1.89倍(23年2.06倍、22年2.29倍)だったが、志望者数が3割弱増えており、25年は2倍台に戻すかもしれない。[2日3回一般]は172人が受けて1.64倍(23年1.5倍、22年2.26倍)と一番低倍率だったが、3割半も志望者数が減っており、25年は狙い目の入試回となりそうだ。

 国算英3科の[1日1回グローバル]の受験生は4人だけだった(実倍率2倍)。入試導入校が一挙に増え「英語元年」となりそうな25年、どのくらい受験生が集まるか注目したい。

 総合I(国社)と総合II(算理)が課される4科総合は、2科の変形版の趣がある。[1日午後2回]と[2日午後4回]とは、それぞれ172人・1.58倍と89人・2.41倍だが、志望者数は2.4倍と激増しており、2回が2倍台のどこまで伸びるかが25年の注目点になりそうだ。25年には[4日5回]もあるが、志望者数を見る限り、2回を上回る勢いがあり、結構な出願者数になりそうだ(3日までに合格を得ていれば受験する人はさほど増えなくなるとはいうものの……)。

 工学院大学附属は「八王子」「京王八王子」「拝島」各駅に加え、京王相模原線「南大沢」駅からもスクールバスを運行している。教科型入試は4科と2科(国数英の組み合わせ)、1科(国算英いずれか)、そして適性検査型入試がある。募集は先進クラス70人とインターナショナルクラス35人の合計105人。ここ数年は、全体的に緩和傾向にある。

[1日1回A特待]は、24年に75人が受験して実倍率1.7倍だったが、志望者数がかなり減っている。最多の103人が受験した[1日午後1回B]は実倍率1.63倍(23年2.53倍、22年2.05倍)とかなり緩和していたが、志望者数は1割ほど増えており、25年は少し上積みしそうである。志望者数微増の[2日2回A]は、25年も1.79倍に何とか踏みとどまるか。

 ここから先は志望者数が2割、3割と減っている。24年実倍率を挙げておくと、[2日午後2回B]1.59倍、[3日午後3回]1.64倍、[6日午後4回]3倍で、25年はいずれもさらに緩和しそうだ。24年受験者数が19人と11人の[1日適性検査型]と[6日午後適性検査型]は予想しづらいが、24年の実倍率は1.46倍と2.75倍だった。

 市内にあるもう一つの帝京、帝京八王子。こちらもスクールバスが活躍しており、JR「西八王子」「高尾」「秋川」に加え、「羽村」「箱根ヶ崎」駅からの便も加わった。他に「八王子」駅から中学生優先の便も出ている。40人ほどの募集のため七つの入試回を設け、13日には2次募集も予定されている。24年入試での合格者は合わせて34人だった。[1日1回A]は12人が受験して実倍率1.09倍となっており、多の入試回も含め、いずれも受けやすくて受かりやすい。

 八王子実践は、JR中央線「八王子」・京王本線「京王片倉」駅から徒歩圏内にある。40人の募集を教科型以外で募るユニークな入試が特徴的だ。24年入試での合格者は合わせて43人だった。適性検査入試は、[1日1回]は26人受験で実倍率2.17倍、[1日午後2回]は22人で4.4倍、[5日3回]は受験した6人全員が合格した。プレゼンテーション入試は、[2日1回]が17人、[5日午後2回]は3人が受験して、いずれも全員合格している。