正確には、先ほどのすべての業務を「物理的にたったひとりでやる」わけではありません。一般的なメーカーでも営業、製造、広報などさまざまな部門に分かれており、みんなで分業していますよね。
ひとりメーカーも同じ。基本はひとりで考え動くけれど、手が足りないところはクラウドソーシングで外注したり、AIを活用したりして、分業して仕事を進めていきます。自分自身は司令塔、あるいはハブとしての役目を果たすのがひとりメーカーの働き方といえるでしょうか。
今、世の中にあるシステムを最大限活用すれば、工場がなくても、社員を雇わなくても、莫大な資金がなくても、自分の欲しい商品をつくり、それで生計を立てていくことができるのです。
そんなこれまでの常識を超えた仕事「ひとりメーカー」という働き方をお伝えします。
資金ゼロ・知識ゼロでも簡単に始められる
「いくらシステムを使えるといっても、物をつくって売るとなると、専門的な知識が必要なんでしょ?」と思われる方もいるかもしれませんね。
実際は、必須知識やスキルはほとんどありません。小学校卒業レベルの算数力と、パソコンの基本操作ができれば十分。今までパソコンになじみのなかった70代の方でも問題なくできていますので、普通に仕事などでパソコンを使っている人なら、まず心配ないでしょう。
また、「そんなにたくさんの人を雇える資金や人脈はない」という心配も無用です。私はたくさんの方の力を借りてひとりメーカーを運営していますが、社員は一人も雇っていません。
経理・事務や顧客対応なども外部の人にお願いしていますが、どの方とも一度もリアルで会ったことはないし、そもそも海外在住の方もいるので会うのはほぼ不可能です。
継続的に仕事をお願いしている方もいますし、スポット的に「ここだけお願いしたい!」というところだけ、仕事を依頼することもあります。いずれにしても業務委託というかたちで事足りています。