「こんなのアリ?」弁当どころかペペロンチーノまで…電車内の飲食はどこまで許容されるのか電車内での飲食は、乗客にとって意外に重いテーマだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

日本人は空気を読むのが得意と言われることもあってか、厳密なルールが存在せずに常識やマナーによってお互いに迷惑がかからないよう調整する場面が多く見られる。「電車内での飲食」もそうで、新幹線ならもちろんOK、混み合う通勤電車ではナシ、といった価値観がなんとなく共有されている。ただし「匂いのキツいものは良いのか」「長距離バスはいかがか」など、詳細な部分でのコンセンサスは取れておらず、たびたびネット上でも議論が紛糾する。あなたにとって「アリ」「ナシ」の分かれ目はどこだろうか。(フリーライター 武藤弘樹)

「お弁当食べるの、やめてくれない?」
長距離移動時の車内飲食の是非

 先日、「隣の乗客から弁当の匂いを理由に食べるのをやめるようお願いされたが、やはりやめるべきか」という趣旨の記事がやや話題となっていた。

 代表的な電車内のマナーには「うるさくしすぎない」や「イヤホンの音漏れに注意する」などがあり、これは多くの人に共有されているが、「電車内の飲食」はちょっとグレーなところがあるらしく、いろいろな意見が散見された。

 長距離移動と生活圏内の移動(短距離の移動)では飲食の認識もやや異なるが、まずは長距離移動について。

 基本的には、「新幹線などの長距離移動時は座席にテーブルが付いているし、駅弁など持ち込んで食べることが想定されたものを駅側が販売しているので、車内の飲食は許される」というのが大勢の見解である。
 
 しかし、この先で意見が分かれるのである。「長距離移動の飲食はそうした形で鉄道会社から認められているのだから、乗客は好きに食べればいい」という人もいれば、「肉まんなどの匂いの強い食べ物は周囲の迷惑になりうるから遠慮すべき」という人もいる。

 後者の意見はさらに細分化して、「隣の乗客にエクスキューズすれば飲食オッケーではないか」や、「駅弁はそこまで強い匂いを発しないだろうからオッケーだろうけど、駅構内コンビニの弁当はNGかも」などなど、様々なケースを想定して広がりを見せる。