職場には「納得しないと動けない人」と「ひとまず動きながら考える人」がいる。一体、何が違い、結果はどのくらい違うのだろう?
今、ビジネスパーソンから経営者まで数多くの相談を受けている“悩み「解消」のスペシャリスト”、北の達人コーポレーション社長・木下勝寿氏の自己啓発書『「悩まない人」の考え方 ── 1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』が話題となっている。
「ここ20年以上悩んでいない」という著者を直撃。日々読者から寄せられるいろいろな悩みをぶつけてみた。本稿では、極めて悩みやすい年末に役立つ「悩まない人の思考法」をお届けする(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)。

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「納得しないと動けない人」に対する「悩まない人」の考え方

Q.部内メンバーで「納得しないと動けない人」がいて手を焼いています。その人には何をするにせよ、その仕事をする理由を説明して納得しないと動けません。それが原因で上司とのいざこざが絶えず、いろいろな部署を転々としてはスキルを身につけられず、入社2年経っても一人浮いた存在です。こんな部下に上司としてどう接したらいいのでしょうか?

【悩まない人の回答】
 世の中には「上司が悪い」という部下の人が本当に多いですね。
 多くの部下は上司との関係に悩んでいますし、上司も部下との関係に悩んでいます。

 どの職場にも、「納得しないと動けない人」という理屈先行型の人はいるものです。SNS社会全盛の世の中ですから、今後さらに増えてくるでしょう。

 私も経験がありますが、正直、こういう人たちのマネジメントは非常に難しいです。ですから、上司の方は一人で頑張りすぎて体を壊してはいけません。
 まずは、あなたが倒れないようにするのが一番。どんな優秀な上司でも、こういう人のマネジメントは一筋縄ではいかない、と自覚することが大事です。

 多くの社長や管理職は日々いろいろなことがあるので、こういう人たちを放置しがちです。
 しかし、「納得しないと動けない人」を社内で2年くらい放置すると、「全く仕事ができない人」になります。

「仕事ができないのに毎月一定の給料を平気でもらえる人」になってしまうと、本人にとっても悲劇です。

 本来は「誰かの役に立つことで報酬をもらう」という社会人としての基本の基本が身につかないまま大人になってしまうと、後で取り返しがつきません。

 さらに、毎年成長している企業にこういう人が一人でもいると、他者の足を引っ張るケースが多々出てきます。

 一番まずいのは、「納得しないと動けない人」=「仕事ができないのに毎月一定の給料をもらう人」ということを、まわりの人たちが気づいているのに、本人には全くその自覚がないことです。

「納得しないと動けない人」を生み出さない戦略的研修とは?

 こういう人を生み出さないために大切なのは、入社からできるだけ早い段階での戦略的な研修です。

 社員が放置される時間が長ければ長いほど修復不能となるので、早い段階に手を打つべきです。

 これについては当社で大きな成果を上げている秘密の研修があります。

 詳細は『時間最短化、成果最大化の法則』の「『欠落的欠点』を克服する秘密の研修 ジョハリの窓の法則」で紹介したのですが、何よりもまず、「納得しないと動けない人」には自分には「欠落的欠点」があるということを自覚し、それを修正してもらうのが第一歩です。

 具体的には、「ジョハリの窓」の4つの窓、1.「開放の窓」(自分も他人も知っている自己)、2.「盲点の窓」(自分は気づいていないが、他人は知っている自己)、3.「秘密の窓」(自分は知っているが、他人は気づいていない自己)、4.「未知の窓」(誰からも知られていない自己)で2.「盲点の窓」に気づいてもらいます(詳細は『時間最短化、成果最大化の法則』P174以降参照)。

 これにより自分を客観視できるようにしつつ、『時間最短化、成果最大化の法則』で最も反響があった「行動量が10倍アップするピッパの法則」を取り入れ、ピッと思いついたらッとやる習慣をつける。つまり、その場ですぐやるか、すぐできない場合はいつやるかをその場で決める習慣をつけるのです。

 この「ジョハリの窓の法則」×「ピッパの法則」を入社早めに習慣づけておくだけで、リーダーやマネージャー層は多くの悩みやストレスから今後解放されます。

 変化対応が求められる時代に、すぐ動ける人が社内にいるかどうかは社員教育の生命線。ぜひ、騙されたと思って研修に取り入れてみてください。効果は確実にあると思いますよ。

(本稿は『「悩まない人」の考え方──1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』の著者による書き下ろし記事です。)