職場には、「いつも苦労を避ける人」と「いつも苦労に立ち向かう人」がいる。
この差は、一体、何だろう? どうしたら前者は後者に変わるのか?
今、ビジネスパーソンから経営者まで数多くの相談を受けている“悩み「解消」のスペシャリスト”、北の達人コーポレーション社長・木下勝寿氏の自己啓発書『「悩まない人」の考え方 ── 1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』が話題となっている。
「ここ20年以上悩んでいない」という著者を直撃。本稿では2月のスタートダッシュに役立つ「悩まない人の思考法」をお届けする(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)。
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「苦労=勝ち筋」の意味
自分が苦労するところは、ライバルにとっても苦労するところです。
だから、自分が乗り越えさえすれば、一人勝ちできるのです。
「苦労=勝ち筋」と考え方を変えてみましょう。
今回は、考え方の枠組みを変える「リフレーミング」が大事という話をします。
何を「苦労」ととらえるかは、人によって違います。
私が経営する「北の達人」の株式上場にはそれなりに苦労がありました。
上場準備中に証券会社の不祥事のため別の会社に切り替えたり、監査法人がいきなり解散したりして、当社の上場担当役員は今でも当時の苦労を赤裸々に表現することがあります。
ですが、私は「思ったよりすんなり上場できてしまった」という感覚です。
なぜ私がそういう感覚だったかといえば、世界中の企業の上場にまつわるトラブル体験談をむさぼり読んできたのでほとんどの出来事が「想定内」だったからです。
みんなが苦労と思っていることを、苦労と思わない人は強くなります。
これも、本書で触れた「調べる力」のギフトかもしれません。
業界で一人勝ちできる方法
拙著『チームX』でも触れた話ですが、最近はウェブマーケティング業界全体でも当社でも独自のクリエイティブがつくれなくなっていました。みんな他社のマネばかりしているのです。
ウェブマーケティング業界では結果がすべて数字でわかるので、ゼロからクリエイティブをつくるより、過去に当たったクリエイティブを参考にしながらつくったほうが手堅い。
でも、そればかりやってきたために、同じ広告ばかりになってきて、新しいものがみんなつくれなくなってしまったのです。
すると、今のメンバーは過去にうまくいったものばかり踏襲して、ゼロからつくった経験がない集団になってしまった。これは他社も同じ。
ということは、ここで自分たちが少し苦労してゼロからつくれる人を育てられば、業界で一人勝ちできるということです。
苦労するポイントがあるということは、一歩抜きん出るチャンスがあるということ。競合との差別化ポイントができるということなのです。
(本稿は『「悩まない人」の考え方──1日1つインストールする一生悩まない最強スキル30』の著者による書き下ろし記事です。)