日々の生活で感じるイライラや不安といったストレスは、カルシウムとビタミンDが豊富な野菜を食事に取り入れることで症状軽減が期待できるのだとか。農園を営む野菜のプロが、ストレスに効く冬野菜の目利きや保存法、栄養素の吸収率がアップするレシピを紹介する。※本稿は、しん|野菜を育むプロ(著)、濱 裕宣(監修)『農家が教えたい 世界一使える野菜の教科書 おいしくて体にいい選び方&食べ方』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。
ストレス軽減に役立つ栄養素
「カルシウム」と「ビタミンC」
仕事や人間関係などでストレスを感じることは日々あるはず。野菜ひとつですべて解消とはいきませんが、ストレス軽減に役立つ栄養素は確かにあります。それを含む野菜を食生活に取り入れて、ストレス社会を生き抜くサポート役になってもらいましょう。
イライラや不安感といったストレス症状に効果的とされる成分は、主に2つ。まず1つめ、もっとも効果が期待できるのは小松菜とチンゲンサイに多く含まれるカルシウムです。
カルシウムは脳の神経伝達物質の放出を助け、神経細胞同士のやり取りを円滑にする作用があります。それが神経の興奮を抑えることにつながり、結果としてイライラなどの感情が収まりやすくなるのです。また、ストレス要因を感知すると「コルチゾール」というホルモン分泌され、心身の緊張を高めることでストレスに対抗してくれるのですが、過剰分泌されると、むしろストレス症状が続いてしまいます。ここでもカルシウムの出番。コルチゾールの分泌量や働きを調整し、ストレス症状が適度に収まるよう働いてくれます。
そしてもう1つは、カリフラワーに含まれるビタミンCです。強い抗酸化作用を持つビタミンCですが、実は体内のコルチゾールレベルを下げる作用もあります。さらには気分を落ち着かせる神経伝達物質「セロトニン」の生成にも関わっています。
カルシウム豊富な小松菜は
真冬に甘みが増す
「ストレスにはカルシウム」――これは本当のこと。カルシウム豊富な小松菜でストレス対策しましょう。
小松菜〈アブラナ科アブラナ属〉
小松菜の旬:冬(12~3月)
小松菜は寒さに強く、気温が下がるごとに糖分と養分を蓄えて甘み豊かに。霜に当たると、いっそう葉が肉厚で柔らかくなります。
小松菜の栄養:(油に溶けやすい脂溶性栄養素)βカロテン、ビタミンK、(水に溶けやすい水溶性栄養素)ビタミンC、食物繊維、(どちらでもない無機質栄養素)カルシウム、鉄、(水に溶けにくい不溶性栄養素)食物繊維 など