総予測2025#51Photo:PIXTA

2025年はビール業界にとって正念場となりそうだ。26年10月に控える酒税改正に向けて、各社は“看板”ともいえるスタンダードビールを強化していく。「最後のバブル」ともいうべき好機に、既存商品に集中して売りのばすのか、新商品を投入するのか。特集『総予測2025』の本稿では、バブルの追い風に乗る意外なメーカーを明らかにするほか、各社のブランド戦略を詳報する。(ダイヤモンド編集部 下本菜実)

スタンダードビール値下げを追い風に
ビール業界が「最後のバブル」に沸く

 2024年のビール業界は久々の活況に沸いた。23年10月の酒税改正で、第三のビールが350ミリリットル当たり約9円の値上げとなった一方、スタンダードビールが約7円の値下げとなり、特需が起きたのだ。26年10月にはビール類の酒税が統一され、スタンダードビールはさらに約9円の値下げとなる。

 1994年をピークにビール類市場は右肩下がりの傾向が続いてきた。人口減や若者のビール離れで、今後もこの傾向は続く。それだけに、この“バブル”は、ビール各社にとって看板ともいえるスタンダードビールの市場を押さえるための追い風になっている。

「最後のバブル」とも呼ぶべき特需に沸くビール業界。次ページでは、各社の“看板”ともいえるスタンダードビールの販売数量を明らかにする。実は、追い風に乗っているのは意外なメーカーだ。さらに、正念場となる25年に各社はどう動くのか。ブランド戦略も詳報する。