理想のビジョンを語るときは
経営者の原体験とともに

「これからこういう世界を実現させたい!」というビジョンを書くのもオススメですが、実はビジョンだけをまとめてもそこまで読んでもらえません。そこに「人」が見えないので、あまり魅力的ではないのです。

 そこで、ビジョンを語るときは「原体験」とともに書くことをオススメします。「なぜそういう世界にしたいと思ったのか?」「なぜそういう会社にしたいと思ったのか?」など、描いている世界に影響を及ぼしてきた経験を書いてみるのです。具体的なエピソードが混ざることで、経営者のパーソナリティも伝わり、面白い記事になるはずです。

 NOT A HOTEL代表の濵渦さんの「僕たちは『世界をもっと楽しくする会社』を目指すことにした。」というnoteは同社のビジョンをまとめたものです。

P140図版同書より転載 拡大画像表示

 この記事には、ビジョンだけでなく、そのきっかけとなったエピソードが書かれています。

 子どもの頃、任天堂のゲームにワクワクした。新しいスニーカーを買うとうれしかった。でも、大人になると「楽しみだな」「ワクワクするな」と思えることが少なくなってきた。そこで濵渦さんは、もう一度みんなの「これが欲しい!」とか「これが待ち遠しい!」「楽しみ!」という感覚を取り戻したいと考えたそうです。

「応援されるモード」に
なった会社がうまくいく

 本来であれば、こういったミッションやビジョンを発表するようなnoteにはあまり反響がありません。社員や関係者が見つけて「社長が書いているからいいねしてあげよう」という人がいる程度。ですが、この記事には「スキ」が200以上ついています。採用候補者を含めて第三者にもきちんと伝わったはずです。

 このようにnoteを書いていると、自然と応援する人が増えていきます。

 もちろん、事業自体が素晴らしいというのもありますが、それに加えて、企業や経営者の「思い」を読んだ人と共有できるからです。

 思いを共有できると、その会社に合う人、会社を成長させてくれる人がどんどん入社します。それによって、さらに事業も伸びていく。