取材依頼が殺到。カギはプレスリリース

廃業寸前だった名古屋銘菓「鯱もなか」を救った、SNSユーザーの“斜め上をいく着眼点”古田憲司 著『鯱もなかの逆襲』(ワン・パブリッシング)
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 2021年9月11日午後5時過ぎ。『Yahoo!ニュース』に記事が公開されてからは想像以上の反響でした。

 店の電話が鳴り出したかと思えば、今度は妻のスマホがも「チャリ~ン」「チャリ~ン」とオンラインショップで注文が入った際の通知音が慌ただしく鳴り始めたのです。

 そして、しばらくするとYahoo!のトップにも取り上げられ、記事の公開からわずか一晩で、公式LINEの登録者数は一気に300人以上増加しました。最終的に、大竹さんが書いてくれた「鯱もなか」の記事は、60万PV以上のアクセスを記録したそうです。

 記事がバズったことをきっかけに、メディアからの問い合わせや取材依頼がどんどんと舞い込むようになりました。現在でも定期的に取材を受けますが、やはり『Yahoo!ニュース』に記事が掲載されてからの半年間ほどは破竹の勢いでした。

 地元名古屋のテレビ局やラジオ局、新聞社、出版社、WEBメディアだけでなく、全国放送のキー局の番組からも取材オファーが来るようになりました。正確に数えてはいませんが、軽く100件を超えるメディアからご連絡をいただいたと記憶しています。

 元祖鯱もなか本店に興味を持ってくださっただけでも光栄なことでしたが、もっとうれしいことがありました。それは、僕たちが発信したプレスリリースが非常に参考になったと皆さん口を揃えておっしゃってくれたことです。資料が手元にあったことで、復活劇の経緯がつかみやすく、原稿が書きやすかったとのこと。

 やはり、僕の考えた戦略は間違っていなかったのだと確信した瞬間でした。事前に蒔いておいた種は、ちゃんと芽を出してくれたのです。